河童のクゥ 6年目の夏休み

河童のクゥ 6年目の夏休み

河童のクゥ 6年目の夏休み

6年前に公開された原恵一監督の「河童のクゥと夏休み」の続編的な小説が出ていたのを知った。なぜ今さら?もしかして映像化を前提としているのかと色々と邪推してしまったけど、そういうことではないらしいみたいだ。

小説は、高校生になった康一が当時を回想する部分(ほぼ映画の内容そのまま収録されている)が長くて、後日談は少なめだった。後日談だけで1冊の本にするのは難しかったんだろうか。

回想部分は映画の内容を康一視点で再構成しているので、康一が直接関わらなかった部分(おっさんとクゥとの会話とか)の描写がちょっと苦しいなと読みながら感じてしまった。新作パートでは、康一とあの夏に仙台に転校していった紗代子がクゥを通じて再会する。時を経て成長した彼らをまた見られたのはうれしかったな。映画の舞台のひとつだった遠野や釜石の震災を彼らがどう感じているのかわかってよかった。

もう少しこのあとの彼らも見たくなったよ。