永遠の0

永遠の0 (講談社文庫)

永遠の0 (講談社文庫)

特攻で死んだ祖父宮部久蔵について何も知らなかった主人公は、当時の戦友たちに聞き回っていき、祖父の戦場での生き様が徐々に明らかになっていく…

600ページ強と分厚い本だったので読み終わるの時間かかると思っていたけれど、意外にすいすい読み進めることが出来てあっという間に読み終えてしまった。ラストの意外な展開はかなり驚いた。

戦友達の会う順番がとても恣意的だし、現代パートの登場人物がちょっと薄っぺらかったりするけど、戦友達の話はどれも重く心に響く。何で戦争に負けたのか、当時の兵器の技術格差や組織の責任の取り方、マスコミの問題など。こういったものは現代の日本でも根本的に変わっていないんだよなぁ。

戦争ものだけど主人公が戦争を全く知らない若者で、その視点で物語が進むので話が理解しやすかった。兵器関係の説明や戦況等もとても丁寧に書かれているので、私よりももっと若い人でもすんなり読むことが出来ると思う。というか若い人向けに戦争のなんたるかを語るために書かれた本なんだろうな。

余談だけど、零戦パイロットの宮部久蔵って、飛行機を操る技術は秀でているけれど、好戦的ではないし、愛する家族のもとに絶対帰るという強い意志を持っているし、何だかエリア88の風間真にイメージダブるなぁ。